2011/12/30(金)12:12
昭和16年1月の末。

在日アメリカ大使館員の1人が、街で耳にしたウワサを、グルー駐日大使に伝えました。

「日本は、米国と事をかまえる場合、全兵力で、真珠湾に奇襲攻撃を行うことを計画中である」


それは在日ペルー公使からの情報で、奇想天外のようだが、あまりに多くの情報源から伝えられてきたので、知らせたのでした。


大使は早速、暗号電報により、この情報をワシントンに送りました。

そして、その夜の日記に、「ハワイの将兵が完全に寝込んでしまってはいないもの、と思いたい」と記した。


実は、米海軍は既に昭和7年に、仮想日本軍にみたてた米艦隊による、真珠湾奇襲攻撃の演習を行っていました。

演習で仮想日本軍は、「オレンジ軍」と呼ばれ、実際の日本軍による攻撃同様、日曜日の夜明け前、空母から発進した152機の航空部隊が、湾内の米艦船、地上の航空部隊を「全滅」させていた!。

それ以来、真珠湾に対する日本の空母による奇襲攻撃は、米海軍の重要課題であった。
オアフ島の陸軍部隊も、陸軍省に、ハワイの基地の脆弱性を訴えていました。


このような経緯があったにもかかわらず、国務省は、駐日大使からのこの報告を、まったく重視せずに海軍省へ回しました。

回された海軍省情報部でも、日本軍の兵力編成や戦力配備よりみて、近いうちの攻撃はないとして、この報告をまったく問題にしなかったのです。


もともと米太平洋艦隊は、西海岸サンジエゴを根拠地としていたが、昭和15年5月、これを真珠湾に変更。

日本軍による、蘭領インド方面進出に対する「抑止力」を意図したとされています。
なにやら、現在も同じ構図が。


昭和15年、米海軍省はハワイにこんな指令を送った。
「(日本軍の)洋上攻撃への警戒を厳重にせよ、しかし、これを新聞に書いたり、外国の諜報機関の注意をひかぬように。海軍省としては、演習のかたちによる実施が適当である」。


同年6月、ハワイ陸軍部隊は地上の飛行機を分散させ、全面警戒体制を6週間続けた。

このときは「オオカミが来るぞ」警報は、オオカミがこないまま徒労に終わりました。


しかし、日本からの攻撃を危惧していた、米米太平洋艦隊リチャードソン指令長官は、ローズベルト大統領に、米艦隊が太平洋にいることは日本の軍事政権に対して、抑止力にならないどころか、米側に不利益であると提言しました。


しかし、大統領はこの抑止力をみとめ、現在もその効果があるという見解だったのです。


(最終回へ続く)


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早稲田大学南門前のオムライス店・3つのオレンジへの恋のオーナーブログです。元商社マン、母校の地で第二の人生をはじめました。

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