2012/05/25(金)19:04
私は車もファッションもブランド系には全く興味がないのですが、「BMW」だけは好きです。
Bはブルックナー、Mはマーラー、Wはワーグナーで、いぅれも後期ロマン派の大作曲家たちです。


大学時代、毎年ひと夏の間、4年間バイトで働いて貯めたお金と、親からの補助により
当時「流行りかけた」4チャンネルのステレオ装置を買いました。

「流行りかけた」というのは、オイルショックによって経済情勢が激変し、世界的な物価高騰
や物資不足により、4チャンネルというぜいたく品のニーズが急速にしぼんでしまったから
です。

日本ビクターに勤務し、その開発に携わっていた近所の住人の勧めにより、そのひとと
ほぼ同じものをそろえたので音質は上々です。
まずは楽しみにしていた映画音楽や、ポピュラー音楽を聴きました。

フルオーケストラの魅力が楽しめる、映画「南太平洋」や「ドクトル・ジバゴ」、
「白い恋人たち」、「アラビアのロレンス」等の重厚華麗なサントラ盤。

レイ・チャールスの「愛さずにはいられない」や、ミッチミラー合唱団の合唱曲、
レイモン・ルフェーブルのグランドオーケストラ。

サンレモ音楽祭のボビー・ソロやジリオラ・チンクエッティのカンツオーネ。

サイモンとガーファンクルやフィフスディメンション、パット・ブーンやブレンダ・りー等のポップスの数々。


若い頃からクラシック音楽が好きだった母も、家事をしながら洋楽を一緒に聴きました。
「エッサホー」というのは「コンドルは飛んでゆく」のことで、「天(あま)のはーらー(原)」は
ビートルズの「抱きしめたい」で、「チロリン」は「シバの女王」のことでした。

「東京オリンピックのファンファーレとマーチ」も、あの日の感激を思い出しながら何度も
聴き返しました。


そして、良い装置をそろえるまではと極力レコード購入を我慢していたクラシックの世界。
特に、豊かな音響、色彩の醍醐味を楽しめる管弦楽、交響曲が好きでした。


まず、王道のベートーベン交響曲をナンバー順に聴いてゆき、独自の個性で、作品毎に
著しい発展を示す楽聖の偉業に敬服。

楽聖のあと、慎重に43歳にして漸く第一番を完成したブラームスを始め、ほぼ年代順に
聴き進みました。
未知の曲を知るのが楽しみでした。

ベートーベンを尊敬したワーグナーの、管弦楽の集大成ともいえる楽劇の魔術にはまり、
そのワーグナーを師と仰ぐ敬虔なブルックナーに辿り着いた。

19世紀と20世紀をまたぎ「やがて自分の時代が来る」といって、時代が追いつけ
なかった苦悩する人間マーラーには「巨人」から入り、2番の「復活」では曲の開始部分
から一気にひきつけられました。

西洋音楽は居ながらにして、聴くだけで芸術の進歩発展ぶりを知ることができます。
よくいわれる「第九番」については、ベートーベンはもとより、ブルックナーやマーラーの
世界は、誰も到達したことのない天空にそびえる孤高の頂です。

教会音楽から脈々と続くヨーロッパ音楽の、文化芸術の歴史の重み。
作曲家の精神の深化と作曲技法の発展ぶりには驚嘆するばかり。

初期作品の若さや瑞々しさにふれ、充実の中期の森を経て後期の森の深淵を思うと、
まるで神の領域に導かれるようです。
特にブルックナーとマーラーの9番は静かに終わるので、余韻が半端ではありません。


以前、マーラーの2番「復活」についてHPにその思いのほんの一端を書いたところ、
私のHP史上最大のアクセス数を記録、マーラー人気の根強さを改めて実感。
しかし、これは文字通りの「ブログ」記事なので恐縮しました。


作曲家や作品が好きになると、今度は指揮者や演奏家で聴き比べたくなり歯止めが
ありません。
私にとって最悪は、レコード時代が終わってCDに移行してしまったことです。

ワーグナーの長大な楽劇「ミーベルングの指輪」を始めとする膨大なレコード群と、
新たにそろえざるを得なかったCDやDVDの山を見るとため息が。

これがボクのBMWです。

当店の名前「3つのオレンジへの恋」は、プロコフィエフ作曲による歌劇に由来しています。
長いクラシック音楽とのお付き合いのなかから生まれました。



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プロフィール

早稲田大学南門前のオムライス店・3つのオレンジへの恋のオーナーブログです。元商社マン、母校の地で第二の人生をはじめました。

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