2013/01/30(水)11:57
由紀さおりさんをとりあげたテレビ番組を見ました。
私の育った時代、由紀さんは、安田祥子、章子姉妹の少女童謡歌手として
すでに有名でした。

その後、『高校三年生』の舟木一夫のような、女性版の青春歌謡歌手として
別の芸名で再デビューしたそうです。
知りませんでした。

ところが同時期に売り出した「有望歌手」と一緒に行動したとき、明らかに
レコード会社や芸能マスコミの関心、注目は自分にはなく、全くブレイク
しないまま失意の日々を送ったとのこと。

新しい芸名に変えたとはいえ、童謡歌手として一世を風靡していたことや、
その後で知ることとなる歌唱力や実力を思うと信じられないような話です。


しかし、運命の女神がいたのです。

私が高校時代に聞いていたラジオ東京放送、いまのTBSラジオの深夜放送の
ひとつに『夜のバラード』という「秀作」がありました。

あの時代のラジオ、特にTBSはいま思い返しても大人の鑑賞に耐える「秀作」
「名作」だらけで、どれもが内容に品格があった。
もう一度聞いてみたいものです。

そして『夜のバラード』では、始まりと終わりに透明感のある女声による
歌詞のない歌、静かなテーマ曲が流れました。

ギターのシンプルな伴奏から始まるその曲は、明るくもまた切なく、もの
悲し気にして美しく、一度聴いたら忘れられない魅力に溢れていました。

私は、その歌唱力からして、歌っているのはきっとクラシック出身の、まだ
無名の歌手だとばかり思っていました。

番組の中で、テーマ曲や歌手について触れられることは一切なく、それが
いっそう神秘性を高めていました。
終盤になって、リクエストで流れたこともあったような気もしますが・・。


神秘的といえば、テレビに顔を見せる前のフォーククルセイダーズ。
それまで聴いたことのないような音楽『帰って来たヨッパライ』は、当時の
アングラレコードのひとつで、多数のリクエストが入ってラジオから曲が
流れるたびに、出だしから終わりまでまるで喜劇を見るように愉快だった。
このグループが気になった。


さて、もう一つの神秘の曲。
番組に殺到する問い合わせに急きょ歌詞がつけ加えられて『夜明けのスキャット』
が誕生したのは有名な話です。

この「無名の歌手」による、題名もない曲が大ヒットをするとは、当初ラジオ東京
もレコード会社側も全く予想しなかった事態で、これはリスナーの感性が玄人の
それを上回った快挙だと思いました。


ところが歌謡ポップス歌手として隆盛を極めたと思われた由紀さんが、やがて再度
歌手として低迷期に入ったのですから、ひとの運命はわからないものです。

その後、由紀さんはタレント、女優として多彩な活動を繰り広げる一方、安田姉妹
で童謡、唱歌のコンサートを長く続けた後に、世界中を震撼させることとなった
あのピンク・マルティーニとの奇跡的出会いが待っていたのですから、本当に運命
とは不可思議なものです。

40数年前、深夜ラジオから孤独な受験生のこころの中にひっそりと流れた、名も
ない歌手のあの曲が、いまは世界中のひとの心を打っている。

日ごろ運に恵まれないと思っているひとには勇気づけられる話ですが、由紀さん
には世界が認める実力がありました。

私も少しはあやかりたいものですが・・・。



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早稲田大学南門前のオムライス店・3つのオレンジへの恋のオーナーブログです。元商社マン、母校の地で第二の人生をはじめました。

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