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2017/08/02(水)14:17
BSテレビで珍しく秋田県の岩舘海岸が放送されました。
小学校3年から5年までの夏休み、両親の出身地である能代市の伯母夫婦の家に行った際に、海水浴に出かけた海です。

初めて上野駅から乗った夜行寝台列車・・・蒸気機関車はたしか最初の年だけ。当時、三等車(二等車?)は冷房がなく、トンネルに入るとあわてて窓を閉めるものの、開け放した車窓からの風は気持ちよく、ときおり聞こえてくる蒸気音や旅情をかき立てる汽笛の音。ゆっくりゆっくり加速してゆくさま。朝になれば乗務員の手によって奇術のように寝台が客席に変わり、どこまでも続く緑の田園風景は優しかった。

客席で汗を流しながらも、ままごとセットのような、注ぎ口のついた陶器製の容器に入った冷たくないお茶を飲み、冷凍ミカンや最中アイスが食べられる蒸気機関車の旅は、一つ一つが夢のような出来事でした。


やがて機関車は電化(ジーゼル化?)されましたが、東能代駅から岩舘駅へ行く五能線はもうしばらくの間、蒸気機関車が頑張っていました。
機関車に連結された客車はたいていは2両で、ときには客車の半分は貨物用であったり、たった1両のときもありました。しかしながら、線路の両側に樹木が迫り、民家の庭先や軒先のようなところを、思い切り汽笛を鳴らし、蒸気や煙を吐きながら機関車が疾走する迫力は強烈でした。いくつものトンネルをくぐると“鰰(はたはた)”八森の、そして岩舘の海が見えてくるのでした。

海水浴場といっても岩舘は名前通りフナムシの多い岩場だらけで、休むにも平らな場所がなく、岩に腰を下ろして休むことしかできないのがつらかったが、潮だまりには取り残された魚が泳ぎ、ヤドカリや小さなカニやエビ・イソギンチャク・ウニ、図鑑で見たウミウシもいて、まるで小さな水族館でした。

まだ泳げなかったので浮輪を浮かべて遊んだ岩舘の海岸は、夏休み最良の思い出の一つでした。

この日のテレビの映像では、岩場の一部に人口の手が加えられ平らなスペースになっていましたが、青く透明な海と海岸の岩場の景色は、私たちが憩ったあのころを十分に思いださせてくれました。


今年の夏、息子夫婦が3人の孫と秋川渓谷に遊びに行き、楽しんだようです。
一番上の孫の男の子は、私が能代に行っていたころと同じ小学校の4年生。
いつか夏休みに五能線の汽車に乗せて、あの岩舘の海に連れて行くことができたら、どんなに喜ぶことだろうか。

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早稲田大学南門前のオムライス店・3つのオレンジへの恋のオーナーブログです。元商社マン、母校の地で第二の人生をはじめました。

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